ロスコン・デ・レジェス(Roscón de reyes):毎年クリスマスシーズンになると、橙花水を材料に使い、砂糖漬けのフルーツで飾り付けたこのおいしい菓子パンが、東方三賢人の日を祝うために菓子店に並びます。プレーンタイプの他に、生クリーム、トリュフ、クリーム、チョコレートを詰めたものがあり、普通は中に小さな贈り物とソラマメが入っています。伝統的に、贈り物を見つけた人はラッキー、ソラマメを見つけた人はアンラッキーとされています。
サン・アントンの小型パン(Panecillos de San Antón):1月17日頃、多くの市民が、ペットに祝福を受けさせ、動物の守護聖人である聖大アントニウスの日を祝うため、オルタレサ通り(Calle Hortaleza)の教会へ出かけます。簡単なレシピで作られ祝福を受けた小型パンは、伝統的なこの日に欠かせません。
サン・イシドロのドーナツ(Rosquillas de San Isidro):5月15日頃、マドリードのサン・イシドロでは、守護聖人の日を祝うマドリード市の祭りが、聖人に捧げられた礼拝堂で行われ、人々は噴水の水を飲み、このマドリードならではのお菓子を味わいます。ドーナツには2つの種類があり、砂糖をまぶしたものが「リスタス(お利口さん)」、何もつけないプレーンタイプが「トンタス(お馬鹿さん)」と呼ばれています。
ウエソス・デ・サント(Huesos de santo):アーモンドを材料に作られる甘い筒状のお菓子は、毎年11月1日の諸聖人の日に食べられます。もともとは黄身を使った甘いクリームが詰められていましたが、現在ではチョコレート、ココナッツ、ヨーグルトなど、バラエティに富んだ味が揃っています。ウエソス・デ・サントと詰め物入りの揚げ菓子ブニュエロス(Buñuelos)も、ハロウィンの夜を祝うため、あらゆる好みに合わせたカラフルで様々な味のものになります。
クリーム入りドーナツ(Buñuelos de viento):ウエソス・デ・サントと同様に、11月1日に食べられるお菓子です。通常、生クリームやクリームが詰めらています。
コロナス・デ・ラ・アルムデナ(Coronas de la Almudena):80年代にマドリードの菓子職人たちが、市の守護聖母であり、菓子職人のギルドの守護聖母でもあるアルムデナの聖母に、敬意を表して考案したもので、毎年、守護聖母の日の11月9日ごろ、菓子店のショーウインドーに並びます。簡単なレシピで作られているこのお菓子は、形も材料もロスコン・デ・レジェスに似ていますが、小さいリングで、橙花水は使われず、飾りには砂糖漬けフルーツの代わりに、サワーチェリー、クリーム、アーモンドなどが使われています。カスタードクリーム、生クリーム、トリュフを詰めたものもあります。
パルメリータスとマノリートス(Palmeritas y Manolitos):マドリードの菓子店のもう一つの定番はパイ生地のパルメリータス。コーティングに、チョコレートやココナッツの他、あらゆるタイプの創作物を用いることができます。最も有名なパルメリータスとしては、モラタ・デ・タフーニャ村が挙げられますが、マドリードの La palmerita de Morataでも手に入れることができます。スイーツとしては、マドリードで最も有名なクロワッサンであるマノリートスも特筆に値します。